「鬼哭館の殺人事件」最高でした(マーダーミステリー)(ネタバレなし)
先日プレイしたマーダーミステリーが最高だったので、
存分に語りたいです。
基本情報
鬼哭館の殺人事件
groupsgr-kikokukan.wixsite.com
6~7人プレイ(GMレス可)、4時間ぐらい、ユドナリウムあり。
オフライン公演だけだったのですが、
オンラインでできるようになっていました。
しかもGMレス可。
この作品との出会い
私たちは7人でプレイしました。
なんとなーく、「今日マダミスできる人ー?」という声かけで、
バタバタっと7人集まって、
そこから7人でできるシナリオを探したら、
これがあったという感じです。
一度仲間内で名前が出ていたシナリオとは言え、
私はさほど大正浪漫に思い入れもない状態でした。
でも今では一番好きな作品かも!と思うぐらいです。
日曜日の21時から準備し始めて、
21時半ぐらいからスタートして、
終わったのが2時半w
「とりあえず明日の夜、また感想戦しよう」と言って、
バタバタっと終わりました。
翌日も感想戦を2時間ほどしました。
し足りなかったけど。
あるキャラクターのプレイヤーだった友人が、
この後日譚も購入してくれました。
楽しくて、本当にすごい勢いで読み終わりました。
だから、GMはしていないけど、今、私は
すべてのキャラクターシートとこの追加ストーリーを読んだ状況です。
良さ①これが!ロールプレイ!
はい。
この「鬼哭館の殺人事件」のなにがよかったかって、
どのキャラクターも感情移入ができるというところです。
システム的にキャラクターシートを一度に読むのではなく、
ちょっとずつ時間を取って、
徐々にキャラクターシートの読み込みを行うんです。
説明やあらすじ的なロールプレイを挟みつつ、
少しずつ自分の中にキャラクターの情報が増えていくんです。
そのキャラクターシートも本当に情緒的に書かれていて、
小説を読むかのようでした。
プレイ中に取り立てて話す機会もないような前日譚も
詳細に書かれていたことが、
よりキャラクターの理解につながりました。
私が選んだキャラクターも、
私の経験には全くないキャラクターだったし、
これまでもマダミス経験の中でも選んだことのないような、
自分の引き出しにはないキャラクターだったんですけど、
めちゃくちゃ感情移入できて、
自分の感情が動くことで、勝手にロールプレイができた感じです。
演技でーす!お芝居でーす!っていうロールプレイではなくて、
私はこう動く…!という主体的な感覚でした。
これがお芝居なのかもしれませんね。
感受性をフルに使って、ロールプレイしていくことで、
言葉以外の部分でも情報が伝わっていて、
これがロールプレイなのか…!と思いました。
オンラインでディスコードだし、
本当に音声だけなのに、言葉以外の情報が伝わるのって、
すごいですよね。
良さ②言動が納得できる!馬鹿だなと思う必要がない!
あとは、どのキャラクターも、
なんでこんなことしたんや…?馬鹿じゃないの?
という気持ちにならないことがとてもよかったです。
マーダーミステリーをプレイしていると、
特に犯人役のときには、
頭悪いな…、浅はかすぎるな…、この行動はあかん…、
と思いながら、中の人の意に反しながら、
ロールプレイをせざるを得ないことが多々あると思います。
でもこの作品はそれがないです。
浅はかな行動がないわけではないと思いますけど、
なぜその行動をとるに至ったかが納得できるように、
気持ちがついていけるように書かれている気がします。
やっぱり急に感情移入できるわけではないと思うので、
シナリオ読み込みをちょっとずつすることで、
置いてきぼりにならずに入り込めるんですよね。
だから言動の納得感につながる気がします。
ネガティブな言動を納得できずにロールプレイしないといけないの
しんどいですからねぇ。
言動の納得感があることってすごくいいと思いました。
感想戦でも、どのプレイヤーも、
自分がプレイしたキャラクターにめちゃくちゃ思い入れがある様子で
話をしていたのがとても印象的でした。
良さ③これがみんなで物語を紡ぐ体験!
よくマーダーミステリーのルール説明で、
「マーダーミステリーはパーティゲームなので、
全員で協力してひとつのストーリーを作っていきましょう」
って書いてあることがありますよね。
ルールとして認識していたんです、私、これまでは。
でも、本当に、みんなでお話を作っていく感覚だった。
もちろん推理をしたり、謎を解いたり、嘘をついたりしますけど、
それぞれのバックストーリーを話して、ロールプレイして、
重ねていくことで、1つのお話が出来上がっていく感じで、
これまで「ルール」と思っていたものが、
「体験」になった感覚でした。
もう、目から鱗です。
作られたお話をなぞっていく感覚のエモ系のシナリオはほかにもあったけど、
「なぞる」んじゃなくて、「作る」という感覚でした。
私はこれまでにもエモ系が苦手だとさんざん言ってきましたが、
エモ系って作者に先回りされて
「ほら!泣くだろ!感動するだろ!」と仕掛けられているような
気がするんですよね。
期待に応えさせられているような。
だから萎えちゃうんですけど。
でもこの作品は、私が、キャラクターと
主体的に歩いて行った先に感情が動く感覚だったんです。
それを私だけではなく、みんなが、それぞれのキャラクターと歩いて行って、
殺人事件というキーワードを点として、
ストーリーを重ね合わせていきました。という感じ。
まあ、ざっくりまとめてしまえば、
エモではあると思います。
私の嫌いなエモではなかった、というそれだけかもしれません。
まとめ
タイトルもなんて読むかもよくわからなかったし、
表紙の絵もなんか茶色くてシンプルだし、
なかなかぱっとやりたい!とキャッチーな作品ではないかもしれないんですけど、
めちゃくちゃおすすめです。
「体験」してください。
オンラインでここまで気持ちが動く作品はなかなかない気がします。
すべてのキャラクターが魅力的ですよ。
感想戦の時間もたっぷりとって、プレイしてみてください。
私、今のとこ、オンラインマーダーミステリーの中で
この作品が一番好きです、と言い切れます。